南三陸町の仲間たち 

二人三脚

Ep.32 南三陸町の仲間たち 2013/07/20


伊里前福幸商店街の駐車場や畳敷きの楽テントには、学校帰りの迎えを待つ子供たち、近くに住む子供たち、その友達が自然に集まります。
大人達が声をかけるのは危険な遊びやゴミのポイ捨て等の普通の注意をする時だけです。
帰りが遅くならないように声をかける事もあります。
皆んな良い子です。

伊里前福幸商店街は震災前の公民館駐車場に作られました。
元々、公民館周辺は家族の迎えを待つ子供達の場所だったそうです。

少子化が進み、どの都市でも子どもは冷暖房完備おやつ付きの子ども部屋が与えられ、テレビ、ファミコン、ステレオ、ボードゲームなどの室内遊びが増え続けています。
そんな現代ですが、伊里前の子供達は、自由に遊べる屋外の「空間」と「時間」、そして一緒に遊ぶ「仲間」を得る事が出来ました。

将来に繋がるこのような環境が出来たのはこの地域を応援してくれる方々のおかげである事は言うまでもありません。


「必要な物はありませんか」と、支援を申し出てくれた方々にテントをお願いしました。
しばらくして別の方々から声がかかった時は、見積書を作ってテントの横幕を寄贈して頂きました。
多くのボランティアの方々が津波被害を受けた瓦礫が残る敷地を奇麗にしてほしいという住民の声を聞いてくれました。
奇麗になった敷地は大きな駐車場に姿を変えイベント時に大活躍するようになりました。

まだまだ復興途中ですが、商店街が2011年の12月にオープンしてから今日の環境が出来るまでに20ヶ月かかりました。

誰がこの環境を作ったのかと聞かれたら、『この地域に住む人達が周囲への配慮をしながら支援者の皆さんと一緒に作って来た』と答えます。

日本全国何処に住んでいても自分の住む町の環境を気にかけて町の為に尽力する方々がいらっしゃると思います。
地域の特色を十分に把握している素晴らしいアイデアを持っている方々が町おこしの牽引車になっています。
伊里前地区も同じ様に地元のリーダーは素晴らしい仕事をしています。

例えば春の「しろうおまつり」は、伊里前商店会・伊里前福幸商店街・南三陸商工会青年部・南三陸町観光協会・南三陸町・宮城県漁業協同組合歌津支所・南三陸農業共同組合・南三陸商工会の協力で開催されました。
そして忘れてはいけないのは、このお祭りの裏方として多くのボランティアさんが参加してくれた事です。

助けて頂いた皆様にうまく伝える事が出来たか不安ですが、この記事を書いた理由は、商店会長に次のように言われたからです。

「商店街の周辺の瓦礫撤去で来てくれた方々、裏方に徹して駐車場整理を手伝ってくれた方々、伊里前川の掃除をしてくれた方々、そういう方々が本当のボランティアだよね。今は何のお返しも出来ないけれど、そういう人達に感謝の気持ちと、あなたたちのおかげで子供達が集う場所が出来た事、大きなイベントを開ける伊里前福幸商店街になった事の感謝の気持ちをいつか記事にして欲しい。」

ご苦労様でした

Ep.33 歌津復興夏まつり 2013/08/06


南三陸町歌津の若者と商店街の人達は、協力してイベントの準備をしています。

駐車場の整備、草刈り、支援物資の袋詰め等の仕事もあります。


出来る事は自分達でやりますが、被災地では仕事量が多いためボランティアさんにも協力してもらってます。

皆さん、ご苦労様です。

南三陸町歌津寄木地区のささよ

Ep.34 伝統行事 2014/01/25


このホームページを更新している仲間で、2011年〜2012年にかけて、「南三陸町の仲間たち」というメールマガジンを発行しておりました。
メールマガジンに掲載した寄木地区の「ささよ」という行事の項を、取材・執筆を担当したI氏の許可を得て、こちらに掲載いたします。

「ささよ」について歌詞などを含めた詳細がまとめられらものは少ないので、広くみなさんにご覧いただければと思ってのことです。

メルマガを購読いただいておりました皆様にも、こちらでの公開につきましてご理解をいただければと思います。

また、無断転載はご遠慮いただきますよう、お願いいたします。
このページへのリンクは、ご自由にどうぞ。


◆ 〜南三陸町歌津寄木地区のささよ〜

「ささよ」は南三陸町歌津寄木地区で毎年1月15日に、
小学1年生から中学3年生までの男子が
ハッピを着て、大漁旗を先頭に地区の家々の軒先で唄い込む
町の無形民俗文化財にも指定されている小正月の行事です。

唄われた家では御神酒と御祝儀(お金やお餅、お菓子等)を出します。
大将(年長の子ども)がその御神酒を大漁旗竿の根元に注いで、
海上安全と大漁を祈ります。

例年は地区内の家を回っていましたが、
震災で大きな被害を受けた為に、
寄木地区の家庭はバラバラになってしまいました。
その為今年は、寄木漁港と寄木地区仮設住宅の2カ所のみで行うことになりました。
またハッピも例年は皆、同じささよ専用のハッピを纏っていましたが、
津波で多くのハッピが流された為に、
今年はガレキの中から見つかった2着のハッピと、
登米市から寄贈された特製のハッピを着て行いました。

今年の「ささよ」参加者は5名。
今年の参加者のお父さん達が子どもの頃は30名程いたようです。
昔は子ども達が多かった為、父兄の手伝いをもらわずに、
年長の子ども達が幼少の子ども達に教えて、
この行事を受け継いできたそうです。
「ささよ」の面白い所は、もらった御祝儀(お金や餅、菓子等)を、
大将が参加した子ども全員に分配する所です。
大将が御祝儀を分配するのは、船頭が船子に漁獲高を分配する真似事で、
こうした習慣を身につけながら、子ども達は漁師の世界を覚えていくそうです。


ささよの唄

おめでたい あらよう 三めでたい かさなるとえー
お船玉 あらよう とらせるさかな さずけたまえやー
雨が降る あらよう 船戸にかさを わすれきたどえー
呼べば来る あらよう 呼ばねば来ない せきの水どえー
あれを見ろや あらよう しまかめ山の ゆりの花とえー
けせんざか あらよう 七坂八坂 九坂とえー
十坂めには あらよう かんなをかけて 平らめるとえー
おらが寄木浜 あらよう 漁のある浜だ おめでたいやなー
港入り あらよう ろかいのちょうしいり こむとえー
ささよー よいこーら よいとなーえー
へんややー へんややー へんややー


行事が終わった後に、ささよ保存会の代表の方は
「(自分が)思っていたより10倍の人がささよに来てくれました。
今回、寄木部落以外の方からも御祝儀をいただきました。
震災である程度ささよの形が変わってしまったが、
何年か経って集落がまた元のように戻るかもしれない。
この先子ども達が歌津を出ても、いつでもいいからふるさとへ戻ってこいと言いたい。
ささよを通じてふるさとはこういう所だと感じてもらえればいい。」
と仰っていました。

今年の大将役をやった年長の子どもは、
「小さい頃からの憧れだったので、いつか大将をやってみたいと自然と思った。
小っちゃい頃から(寄木の人達に)お世話になっているので、
寄木の為に出来ることをしたい。
爺ちゃん・父ちゃんから受け取ったものを、受け継いでいかなきゃと責任感が生まれた。
まとめるのが大変だったけど、意識を崩さないように来年もやっていきたい。
自信を持って下の代に受け継いでいけるといい。それが自分達に出来ること。
まだ小さい子達は分からないかもしれないけど、
これからもささよ出来るんだよっていう気持ちを伝えたい。」
と、しっかりとした口調で話してくれました。


少子高齢化の波が寄せた所に、昨年の東日本大震災による津波被害。
寄木地区は大きな被害を受けましたが、ささよに関わる寄木地区の大人も子どもも、
力強く前を見据えています。


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しあわせをはこべるように2014

Ep.35 南三陸町の仲間たち 2014/02/04


『2011年3月11日に東北に大きな被害をもたらした東日本大震災。沢山の人が命を落とし、今も尚心の大きな傷を負った方がいます。そんな人たちを救う為、立ち上がったこのプロジェクト。』

2014年1月17日JR神戸駅を出発したテアトルアカデミー所属タレント(俳優)森下 健土さん(20歳)が、本日目的地の南三陸町さんさん商店街に「歩いて」到着しました。
そして・・・歌津の伊里前福幸商店街に来てくれました。

森下健土さんは、ドラマ「ごちそうさん」、「影武者〜徳川家康〜」等に出演しています。

しあわせをはこべるように2014Facebookページ

メッセージ展示会〜NAKAMA〜
(チャリティーウォークで全国から被災地への応援メッセージの展示)
主催:SHIAWASE企画
Mail:shiawase.nakama2014@gmail.com
日程:2014年3月18日(火)〜3月20日(木)
場所:南三陸町観光協会ポータルセンター
入場無料

歌津三浦石油さんご苦労様でした。

Ep.36 ブログ 2014/11/30


震災を乗り越えて営業を続けていた歌津伊里前の三浦石油さんが本日で営業終了します。

しばらくお休みをいただいて実家の近くで再開を考えているそうです。

ご苦労様でした。

これからも元気に頑張りましょう!

ー 2014年11月30日 閉店 ー

(○´・ω・)⊃【次回につづく】⊂(・ω・`●)