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復興への道
2011/04/02
「高台に住めばいいのに・・・」
「そんな所には住みたくない。」
ユーチューブや2チャンネルで見かける書き込みです。
漁師は危険な職業だと言う事を忘れていませんか?
船で海に出たら危険がいっぱいです。
現在はGPSや無線があるので安全になって来ていますが、漁船法が出来たのは昭和25年です。
それ以前は海に出た船と連絡は取れません。
家族は家で待ちます。
毎日海に出て水平線のむこうから大漁旗をかかげた船を探します。
おとうさんが疲れて帰ってきました。
魚を陸揚げします。
陸揚げがすんだら家に帰ってのんびりします。
津波を心配して2キロ離れた場所に家や市場を作ったらどうなるでしょう。
想像してみてください。
遠く離れた場所に市場を作るのが合理的だとは思えません。
漁船が壊れたらまた作ります。
津波で家が壊れたらまた立てます。
漁村に住む人たちは海と長くつきあっています。
引き潮で津波を予測し、井戸の色が変わる事で変化に気づきます。
津波から逃げる知恵を子供に教えます。
その子供は大人になったらまた子供に教えます。
こうして技術や知恵が引き継がれます。
海上の潮の流れの知識、風の知識、岩礁の知識、まだまだあります。
そうやって得た知識は戦争でも役立ったでしょう。
海の近くで毎日眺めていなければ色の変化に気づきません。
2キロ離れた場所の観測と目の前の観測では比べ物にならないでしょう。
駅に近い所に住めば便利です。
海の近く住むのは便利です。
漁村だけではなく農村でも同じ事が言えます。
雪国では毎年雪害が起きています。
雪の重みで家が潰れて死者がでることもあります。
電話やテレビが普及していない時代は冬の間の村は孤立します。
そんな不便な場所に何故住むのか?
そういう山村では春になって雪が溶けると山の恵みがあります。
おいしいお米を作る事も出来ます。
危険でもすばらしい古里があります。
沖縄や九州では毎年台風が来ます。
津波だけでなく風の被害もあります。
そんな危険な場所に何故住むのか?
このへんで止めましょう。
その地域に住む人たちは自然の恵みを享受しているのです。
自然がたまに怒り狂うのも受け入れているのです。
東京に住み、
三陸海岸の魚を食べる。
長野の林檎を食べる。
北海道のジャガイモを食べる。
そういう人の胃袋を危険と隣り合わせで支えているのが三陸であり北陸であり北海道だということを思い出しましょう。
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